シビック・インテグラ(EG6/EK9/DC2)はパーツ不足で維持できない?
こんにちは。エースラインズの車両製作担当の山田です。私がシビック(EG6やEK9)でレースをはじめ、レース車両のメンテナンスをし続けて早20年が経ちました。20年前から純正部品の供給は徐々に減ってきました。巷でも「部品が出ないからメンテナンスできない」といったお話も耳にするようになりました。メンテナンスができないから手放したなんていう寂しいお話も聞きます。残念です~。

では、本当にメンテナンスできないくらい部品が生産されてないんでしょうか?。N1レースなどの純正部品以外の使用が厳しく制限されているカテゴリーでは、走らせるのが厳しいというのは事実かもしれません。HONDA スポーツ車両は世界的に人気の車両で、実際、北米では純正部品に代わる部品がかなり生産されていますし、国内でもホンダに代わって部品を作ってくれているところがあります。ありがたいことです。現在(2022年1月)、どれくらいの部品が生産中止になっていて、代替えが可能かどうかを特集していきたいと思います。まずはエンジンから!
エンジン

エンジン不調の原因は、エンジン本体か補器類かどちらかになると思います。B型エンジンのみならず・・ですがエンジン本体から発生する症状は、オイル消耗・ブローバイガスの増加が多いです。これは負荷にもよりますが、走行距離が増えることで、シリンダーのオイルクリアランスが広がって発生しています。ピストンとシリンダーはオイルを挟んで常に擦れ合っているので摩耗してシリンダーが広がります。なのでピストンやピストンリングを交換してもオイルクリアランスは縮まりませんので、シリンダーを拡大ボーリングしてオーバーサイズピストンを使用します。現在(2022年1月)は、B16Bのピストンは供給されていますが、B16Aのピストンはオーバーサイズも含め生産が終了しています。
ではB16Aはオーバーホールは無理?かというと、このエンジンに関しては社外製のピストンはかなり豊富です。TODA製で純正に設定の近いピストンながら、0.5mmオーバーサイズのピストンが販売されていますし、海外製では0.25mm~1.0mmのオーバーサイズピストンが販売されています。もし現在ノーマルのピストンを使用されているのであれば、0.25mmずつオーバーホールすると、0.25mmずつオーバーホールして4回もオーバーホールできます!B16Bのピストンは供給されているのでB16Aにそれを流用することも可能ですが、圧縮比がだいぶ違うので乗り味が変わってしまうところがあります。


ピストン以外の部品については、バルブ・クランクシャフト・コンロッド・カムシャフトなどの主要部品は生産が中止になっています。しかしクランクシャフトやコンロッド・カムシャフトなどが古くなってとか、距離が走り過ぎてということで悪くなることはないと思います。各部のメタル類やベアリング類はまだ生産されていますし、オーバーホールに必要な部品はきちんと供給されています。B16Aに関しては唯一バルブが供給されていませんが、B16Bのバルブは生産されていますので、流用が可能です。その他、オイルポンプやウォーターポンプは生産がされていまし、社外部品も豊富です。インジェクターのパッキンやその他のパッキン類についても供給されています。
今回、エンジンについて部品供給状況を書いてみました。まだまだ乗れると思います!今後、違う箇所についてもピックアップしてきたいと思います!